俺がずっと守るから




父様、どうやら婚約の話を白紙に戻す可能性が濃厚になってきましたよ。




「そんなにモテるなら他の女の子のとこ行けばいいじゃない」

「え、何?彩葉ちゃんヤキモチ?」

「ば…っ、そんなわけないでしょう!?」



この人、いろんな意味で凄い人だ。




「そんなに慌てられるとますます嬉しいね」

「意味がわからない」



クスクス笑う三芳くんに、ふいっと顔をそらす。




「…行くよ、彩葉」

「え、李樹?」


そのタイミングで、李樹は私の手を引いて足早に校門をくぐる。



三芳くんはといえば、早足になった私達に遅れをとって離れていった。


まぁ、周りに女の子を侍らせ始めたからちょうどよかったのかもしれないけど。




「どうしたの?李樹」

「言っただろ?あいつには気をつけろって」

「っ、え?」


玄関に着いたタイミングでそう聞けば、李樹は不機嫌そうにポツリとそうこぼす。




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