あの日の約束を、君ともう一度
「...今までなんも知らなかったのに責めてほんとごめんな。
染谷が1番辛かったのにな。」
私は依月の胸でふるふると小さく首を振る。
責められて当たり前。
私が依月に伝えてなかったのが悪いんだもの。
「ほんとはね、総体に行くことは出来たの。応援として。
先生にも
、ベンチに入れるから、総体だけでも来いって言われてた。
でも、行けなかった。バスケを見るのが辛くて。どうしてもね、“自分はできなくなったのに、みんなは出来てる”っていう事実に、胸が痛くなるの。
もうどうしようもないのにね。
依月との約束、守りたかった。守るために部活中の怪我とか、すごい気をつけた。それなのに...っ。」
依月は何も言わずに、抱きしめる腕に力を入れた。
怪我にも気をつけた。
体調も崩さないようにした。
もう総体は目前だった。
絶対に出れるんだと思ってた。
エースである4番のユニフォームを着て、コートに立つのだと、信じて疑わなかった。
それなのに、私の手元に残ったのは、部員が作ってくれた千羽鶴だけ。
嬉しくなかったわけじゃないし、みんなが大切な時間を割いて私のために作ってくれたと思うと、胸がじんわりと暖かくなった。
けど、1番欲しかったのはそれじゃない。
私が欲しかったのは、4番のユニフォームを着て、コートに立ち、みんなと優勝するという未来。
優勝トロフィーと2年の時のリストバンドを持って、依月に会う未来。
そんな未来が欲しかった。
でもそんな未来は来なかった。