私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?

もう遅かったの?

「志帆ちゃん、最近身体辛くないかな?」



毎朝の体調チェックに看護師さんが来た。



「はい。大丈夫です。」



「そっか。このまま治療すれば、来月の後半には退院出来るかもしれないって医院長先生も言ってたよ。良かったね!」



「本当ですか!?良かったー。」



「じゃあ後で点滴持ってくるね。」



「はい。」



窓の外から見えていた木も葉っぱが落ちて、本格的に冬になってきた。



今年の秋はあっという間に過ぎてしまったように感じる。



まだ雪は降らないと思うけど、外にいる人は寒そうだな。



私は順調に回復してきて、前よりも体調がいい。



でも、筋力が落ちてきて、多分すぐには運動できないかもしれない。



大樹と恋とは、あの日から何度かお見舞いに来てくれて今まで通り過ごしている。



大樹も気を使うことなく話してくれるし、恋もあの日のことを気にしてないみたい。




ただ、弘人がお見舞いに来てくれない日が続いている。



私は・・・・・・・会いたいんだけどな。



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