私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?
弘人の告白の返事をちゃんと言えなかった私が悪い。


困らせた私が悪い。



最低なことをした。



そんなこと分かってる。



弘人はいつも笑って、そばにいてくれた。



泣いた時も、怒った時も、倒れた時も。



私が・・・・・・・・大樹を好きでも、傍にいてくれた。



好きな人に好きな人がいる苦しみは私にも分かる。



それでも弘人は私の側にいてくれた。



それなのに、私は今、弘人の大切さに気づいた。



遅いよ。



私は気づくのが遅すぎた。



もっと早く、気づけば良かった。



弘人・・・・・・・・・・



今、



好きだと言ったら、



ダメですか?



私は顔を上げて、前を見る。



「弘人っ・・・・・・・・・・ごめんなさいっ。たくさん傷つけて、ごめんなさい。」



涙を拭いて私はシャツをぎゅっと握りしめる。



「・・・・・・・・好きだよ。」



ぽつり呟いた言葉が、冬の風に消されていく。



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