私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?
「うん。上手くいくといいね。」



「志帆は?弘人君に、言わないの?」



「・・・・・・完全に避けられてるし。なかなか難しい。」




「そっか。・・・・・でもさ、早く仲直り?したほうがいいんじゃない?」




それは一番分かってる。



でも、なかなか言えない。



「志帆っ。・・・・・自分から頑張るんでしょ?」



恋に言われて、私の中でもこれ以上先延ばしにしちゃいけないって思った。



「・・・・・・今日、言ってみる。ちゃんと。」



「・・・・うん。そっか。応援してるね。」




「うん。ありがとう。」



今日の部活終わりに、弘人と話してみよう。



すぐに帰っちゃうから引き止めないと。



そして、




放課後。




部活が終わって、恋が掃除を代わってくれた。



「ありがとう。恋。」



「うん。ほら、すぐ帰っちゃうから行ってきな!!」



恋に背中を押されて、私は体育館の玄関で弘人を待つ。



そして、



弘人が友達と一緒に来た。



私は勇気を振り絞って名前を呼ぶ。




「弘人っ!!・・・・話があるんだけど。」



「じゃあ俺ら先に行くな。また明日。」



そう言って、弘人の友達が帰っていく。



弘人は無言で下向いている。



「あの、・・・・・・ごめんなさいっ。」



私は頭を下げた。



「私が入院してた時、弘人のこと怒らせて。まずは、それを謝りたかった。それとね、返事の、・・・・事なんだけど。」



「・・・・返事はしなくていいって言ったじゃん。」



そう言って外に歩いていってしまう弘人。



私は慌てて追いかけた。



「ちょっ、待って!!聞いて!!私の話!!」



弘人のコートをぎゅっと掴むと、その手を振り払われた。



そして私を見て言い放った。



「今更しなくていいって言ってんだよ!!聞かなくてももう、分かってる。」



「違う!!!」



私は1歩近づいて、



「・・・・・私、弘人のことが好きなのっ!」



「・・・・・・・・・・・・は?」



「あの日も、そう言いたかった。大樹だけだと思っていた私を、いつも助けてくれたのは弘人で、今更弘人の大切さに気づいてっ。ふっ、・・・・うぅ、・・・・今更だけど、本当に遅いけど、・・・・・弘人が好きっ!!」



今まで言いたかったことを全部ぶちまけた。




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