小悪魔なキミに恋しちゃいました。


教室を出る直前にそう声をかけてきたのは、結城くんだった。



まさか結城くんからもそんな言葉を貰えるなんて思っていなかったから、ただ驚いてしまった。



「何?僕がキミのこと応援したらダメなの?」



「ううん、嬉しかった。ありがとう」



応援してくれるのは、素直に嬉しい。



「……」



素直に自分の気持ちを伝えただけなのに、なんで結城くんは無言なのか。



わからない私は、ただ首を傾げる。



「勘違いしないでよ。僕がせっかく時間を削って教えてあげたんだから、再追試にでもなったら……覚えておいてね」



そうかと思えば、周りにバレないように私の耳元へ近づき、そう呟いた。



「なっ……」



私の血の気の引いた顔を見て、不敵な笑みを浮かべていた。



しかし、時間を割いてまで結城くんが私に数学を教えてくれたことは事実。



とても腹が立つけれど、文句は言えない。



それに、さっきはあんな優しい言葉とか、昨日も「もっと自信持ちなよ」なんて言ってたくせに、この豹変ぶりはなんなの?



せっかく頑張ろうと意気込んでいたのに、結城くんが脅してきたせいで、冷や汗がダラダラだ。


< 100 / 252 >

この作品をシェア

pagetop