小悪魔なキミに恋しちゃいました。


日が傾き始め、騒がしい声が静まり始めた頃。



「はぁ〜終わった〜っ」



最後のひと束をホチキスでとめて、腕を天井に向けてぐっと伸ばし、凝り固まった身体をほぐす。



予定より早く終わらせることが出来た……と思う。



あまりの多さに夜までかかってしまうのかと、憂鬱になっていたけれど、今は夕方。



なんとなく得した気分だ。



よし、帰ろう。



そう意気込んだ途端、教室に響き渡る鈍い音。



「ったぁ……」



勢いよく立ち上がったあまり、机に足をぶつけてしまった。



痛い、痛すぎる……。



やっぱり今日は厄日かもしれない。



憂鬱になりながらも、重い資料を両手に抱えて、成宮先生が待つ職員室へと向かった。


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