小悪魔なキミに恋しちゃいました。

キミと花火と秘密



"みんなにも伝えとく。須藤さんは、僕の彼女だから。手出したらどうなっても知らないからね"



私が図書室に閉じ込められてしまったあの日。



助けてくれた結城くんが、クラスメイトが注目する中で言い放った台詞。



夏休みまでの校内は、私と結城くんが付き合っている、ついに王子に彼女ができたという噂で持ち切りだった。



恥ずかしさと同じくらい、また王子ファンの子たちから嫌がらせを受けるんじゃないかと不安になっていたけれど、そんな不安は意味もなく……



その日以来、嫌がらせはピタリと無くなった。



私が結城くんと話すと、すこーしだけ鋭い視線は感じるものの、結城くんの力はすごい。



「手を出したらどうなっても知らないからね………ふふっ、さすが玲央くんだわ〜」



「もう、あのさ、悠陽ちゃん。もうやめて……」



今日は一学期を締めくくる終業式。



明日から夏休みだとテンションが高い中、ひとり、肩を落とす私。



なんてったって、あの日から悠陽ちゃんにからかわれてばかり。



クラスの中で堂々と話せるようになったからって、毎日のように言われると参ってしまう。


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