君があの子に、好きと言えるその日まで。完
翠とは、実はここ半年くらいまともに話していないし、学校ではひと言も話していない。目も合わせていない。

それは、あの日できてしまった二人の溝が、自然とそうさせていた。

翠、という名前を聞いただけで、俺の鼓動はバクバクと脈打ちだし、どうしようもない衝動が胸の中で暴れだした。


俺だって、話せるものなら話したい。

翠のことを支えたい。

だって、翠は俺のーー……。


「来栖先輩、星岡君と会いたがってるみたいだったよ」

「そんなわけ……」


そんなわけない。

でも、会いたい。話したい。


だって、翠は俺の、好きな人だから。

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