無駄な紅葉は散り濡れる.
そこの言葉は
俺に向けた言葉じゃなくて
従者に向けてだった。

「なんだよ、おまえ。
 俺が誰だかわかってやってんのか」

って俺はその女に
怒った。

一国の帝の跡取りを
ないがしろにされた気分になったのだ。

「知るわけないじゃない。
 だけど、この人は悪い事してなかったわ」

恰好は
ただの芸者なのに
貴族の姫君が言いそうな
言葉を発する
不思議な少女に
俺は目を奪われた.

「俺を怒らせることは
 悪いことじゃないというのか」

って素直に慣れなくて
もっと嫌われそうなことを
言っていることさえ気づけていなかった。


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