全ての記憶を《写真》に込めて


大丈夫、と頭に手を置く晴くん。

「3ヶ月、ねぇ。まだ時間あるじゃん」
何する?と突然聞かれる。
なんにも待機していなかった私はただ慌てるだけ。

「まぁゆっくり考えなよ、どこでも連れて行ってあげるからさぁ」
「う、うん!」


どこでも………、どこでも、か。



「あ、あの!!!」
「ん?」
「みんなで、えっと、茉莉ちゃんも翔くんも、お見舞いに来てくれた真依さんも、みんなで遊園地に行きたい、です……」
わがままだろうか。

だけど、晴くんは微笑んでくれる。

翔くんが言っていた。
笑顔を見せるようになったのはつい最近だって。

「いいよ、いつ行く?」
「いいんですか!!?」
「彩月が行きたいならどこでもいいけどぉ」
「えへへ、やった、なるべく早めがいいです。あ、でも予定が空いてる時に……」
晴くんモデルやり始めたし…、と言うと休むからと真顔で言われる。

「晴くんって、なんでそんなに優しいんですか?」

2度目の質問。


「好きだからに決まってんじゃん」

心が熱くなる。
目頭も熱なる。


「私も、晴くん大好きです」


やっと伝えられた。
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