全ての記憶を《写真》に込めて

「ここがいつも私が来てる店だよ!」
茉莉ちゃんが案内したのはとても大きなお店。
「え、こんな所に私みたいなのが入ってもいいの……?」
店の中を覗くとみんなキラキラしたおしゃれな格好をしていた。
「うん!だって服屋さんだよ?」
「みんなキラキラしてる」
「あ、あそこの人可愛い ちょっと行ってくる」
「はぁっ!?ちょ、翔!…………ったく、あのバカの考えてることがわかんないんだけどぉ」
翔くんはいなくなって、残るは三人。
「は、入ってみよう…、茉莉ちゃん、一緒に行こうね」
「うん!」
そして、一歩を踏み出した。






「いらっしゃいませー!」

今すぐ逃げたい。
「ど、どうしよう………、こんなに服が沢山あるなんて…っ!」
服の王国なの!?こんなにあったら決めれないよ。
「ちょっと、うろちょろしないでよねぇ 邪魔になるでしょ じっとしといて」
「うぅ、晴くんは平気なの? こんなにたくさん服があるんだよ?」
「俺は元々モデルやってたって知ってるでしょ それで慣れてるに決まってんじゃん 馬鹿なの?」
翔くんがいなくなった事でイライラしているのかいつも以上に機嫌が悪いような気がする。
「彩月はどういう服が好き?」
「えっ、うーん…」
すると、ここで知らない人からの贈り物を思い出す。
「露出が少ない服がいいな… 日焼けが痛いし」
「んー、好きな色は?」
「淡い感じの!」
よっしゃ、任せて!と、茉莉ちゃんまでどこかに行ってしまった。残されたのは私と晴くん。
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