MOON WOLF
繁華街
私は靴も履かずに飛び出してきてしまった。

でもそんな余裕ないくらい

あの場所にはいたくなかったんだ

あそこには私の居場所も

愛も

優しさも

あたたかさも

なんにもない

でもそんな場所に優結を置いてきてしまった

そのことに罪悪感がじわじわと出てくる。

ああ、もうっ

なんでだろうか

どうしてあの家はあんなにも冷えきってしまったのだろうか

ふと自分の裸足を見ていた目線を上げてみた。

そこには家族で外食にでも行ったんであろう三人親子の姿があった。

「お母さん!明日は海に行こうよ!」

「よし!それじゃあ明日は海でバーベキューだ!!」

「うふふ!良かったわねえゆうき。」

楽しそうに明日の予定をたてながら三人手を繋いで歩いている。

私はただぼーっとその光景を眺めていた。

ここは夜の繁華街。

いろんな人がいる中の出来事

まだまだ夜は長い_________
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