…好きか?

「部活の助っ人しねーし」


「ツルまなくなったよなー」



そんな小言も
もちろん理解していた。


でもそれしか
アタシのこの頭には
思い浮かばないんだよ。



「どしたの?最近。
 みんなと距離置いてるように見えるけど」



体育の時間
グラウンドに向かう最中
平岡さんに聞かれ思わず戸惑ってしまった。



「べ、別に?
 気のせいだって。
いつも通りだよ」



同じセリフを
ひたすら続けるしか
言葉が出てこない。



「…何かあったんでしょ?」



さすが平岡さん。
女子は勘が鋭い。
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