出会いは突然、電車にて。
バタン

更衣室は少しちっちゃい部屋だった。

部屋、と言っても厨房の奥の廊下にあった倉庫みたいなところなんだけど、さすがカフェ。
すごい綺麗。


制服を脱いで、持ってきたジーパンを履き
店長さんに渡された白いボタン付きのワイシャツを着て
ジーパンの上から茶色のリボン付きのカフェエプロンを結ぶ。


全身鏡でちゃんとしてなってるか確認して、髪をオールバックにしてくくる。


カチャ

「どうかな?」


快斗の返事が怖くなって顔を上げる。


「あっ、うん、す、すごい可愛いと思う。
他の男に見せたくないくらい。」


「そうだよね!すごいこの制服可愛い!
でも、他の男って、快斗だって同じ制服じゃん。」


「この、無自覚。」


「えっ、なに?」


小声で行った快斗の声が聞こえなくて聞き返す。


「いや、何もない。」


気になるー。気になるけどこんな所で争ってても意味無いもんね。時間が経っちゃうだけ。
< 124 / 159 >

この作品をシェア

pagetop