クールな外科医のイジワルな溺愛
「ここは僕に任せてください。起きてしまった患者さんたちの対応をお願いします」
「は、はいっ!」
いつもの猫かぶり顔の黒崎先生にそう言われると、若い看護師さんは背中をシャキッと伸ばして部屋の外に走っていった。しまったドアの向こうがざわざわしている。今の騒ぎとドクターコールで起きてしまった患者さんたちが何事かとナースステーションに詰めかけているんだろう。
「もう大丈夫だ。怪我はないか?」
黒崎先生が傍に寄ってくる。思わず布団から手を離してしまうと、彼の眉間に太いシワが刻まれた。
彼の手は器用に私のパジャマのボタンを戻していく。そんな彼は眉も目も吊り上がり、怒っているようだった。
「あの野郎……。そうだ、足は。何かされなかったか」
怪我をしている右足が気になったんだろう。せっかく綺麗に固定してくれたのに、あんな巨体が乗ったりしたら傷が開いてしまう。
先生はいつもよりためらいがちに右足のパジャマの裾をたくし上げ、膝の包帯を外す。なにも外傷がないことを確認すると、ホッとしたように息をついた。
「他に痛いところは?」