ONE WEEK【完】
Tuesday


「おはよーう。朝だよー」

朝7時、遠くから聞こえる彼女から朝の知らせ。
昨日は早く寝たはずなのにどうも体が起きたくないと言っている。

意識は起きてるのに目が開かない。
なかなか起きない俺に最初はドア付近で声を掛けてくれた彼女も長い息を吐く。
そして近くまで来た気配がする。

「おーきてー。遅刻しますよー」

おーい、と布団の上からパタパタと叩き起こされる。
でも目は開けない。
起きてるけど。

「も〜ほんとに遅刻するから」

今度は布団の上に座って肩を掴んでくる。
何をされるのかと考えてると「起きてって言ってんじゃん!」と無理やり揺らされる。

「…ちょー待て、起きる。起きるから」

朝から揺さぶられるのだけは勘弁してほしい。
目を開けて見えたものは呆れ顔の彼女。
そして一つ溜息吐いて立ち去ろうとしたのを止める。

「そんなことしなくていいから起きて!」

俺が起きないからか怒り始めた彼女の背中を見て、自分が怒らせたのにその怒った彼女も可愛いと思う自分に朝から笑える。

時計を見て本気で時間がヤバいことに気付き、スーツに着替えて寝室を出る。
すでにテーブルに座ってる彼女の隣を通り過ぎ、洗面を済ませる。
テーブルに着く時にはもう食べ終えていてもいいはずなのに綺麗に残っている朝食。

「…待っててくれたの」
「早く起きてくれないから冷めた」

今日は機嫌が悪いな、と自分のせいなのに頬が緩む。
それに気付いてか、また不機嫌な顔。
今日は話してくれないだろうなとふんでテレビを見たり会話のない朝食。
自分が原因だし珍しくもない事だから慣れているけど、やっぱり仕事前に仲直りというかいつもの二人に戻りたい。

いつからこんな風に彼女の気をひくようになったのかもう覚えていないけど、彼女の呆れた顔も怒った顔も仕方ないという顔も嬉しそうな顔も全部自分に向けられている事が嬉しくてついやりすぎてしまう。

「行ってくる」

どんなに忙しくても玄関まで送ってくれる彼女。

「いってらっしゃい」

本気で怒ってる時はそれすらも言ってくれないから今日はそこまで怒ってはいないらしい。

目を合わせて溜息。
どうやら不機嫌なままらしい彼女の機嫌を直す為に手をとり引き寄せて額にキスをした。

「好きなケーキ買って帰るから機嫌直して」

たまにしかしない不意打ちだったからか焦って顔を赤らめる。

「絶対だからね」

そんな表情も愛らしくて後ろ髪ひかれながら家を出る。
とりあえず今日もなんとか乗り切れそうだ。
彼女の笑顔をエネルギーに仕事していると毎朝が勝負だ。

これが効かなくなる頃には何か考えないとな、と苦笑しながら今日も出勤する。



…end.
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