* allergenic *
川に来た。この近くの川は流れが穏やかで、深さもそんなになさげな感じ。


「ニジマスやイワナがラッキーだと釣れますよ。」


理人君が釣り竿にエサの付け方を教えてくれるんだけど、私は無理。


「理人君…私そのエサ触れない///」

「優那貸せよ。」


私の釣り竿にエサを付けてくれる碧斗は何故か怒っている?


「ありがとうございます。課長は慣れているんですね?」

「ああ、実家近くに川があって よく魚釣はしていた。」


釣り竿を渡され どうするかおろおろしていると…


「見てて、こうするんだよ。」


とお手本の様にスムーズに向こう側に行く 釣糸と仕掛け。

私もトライしたんだけど、中々向こうに行かずに 近くにポチャンと落ちる…


「///フッ仕方ないな、優那…」


あっ やっと笑った///碧斗が笑うと 何故だか私は嬉しい。


「もぅ何?二人で世界とか作っちゃって、やだわ~。」

「菜月煩い。魚が逃げるだろうが…」

「はいはい、私は邪魔なんだ?」

「菜月さんは、エサ付けるの平気ですか?」

「全然…てか釣りは嫌。臭くなっちゃう…」

「お前、うざい向こうに行けよ…」

「この人怖い。優那ちゃん騙されちゃだめよ。裏の顔知ってる?」

「いえ、知りません。でも見たいです///」

「や~ん///ツボだわ。私萌え過ぎて困る…」


赤い顔をしている菜月さんに気を取られていると…


「優那、引いてるぞ…」


クイックイッと竿が動いている…


「少し貯めて、ルアー巻いて。早く…」


どうしょう?あたふたとしながら、巻いて巻いて…水面に現れた魚が。


「イワナだ…神谷、網あるのか?」

「はい。優那ちゃんすごいね…一番乗りでもう釣れるとかセンスあるんじゃない?」

「いやいや///ビギナーズラック?ラッキーだったと思う…。」


碧斗に網で掬って、バケツに入れてもらった。

結局、私は竿を一瞬持っただけで、これ魚釣りと言えるのかな?

だけどそれからも、理人君、課長、中嶋さん、天海さんが 上手く釣れて、中々楽しい魚釣りの時間を過ごせた。


私の初旅行は 素敵な思いでと、同僚との親睦を深めた二日間であった…



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