* allergenic *
「お前何?俺をこれ以上翻弄させんな///」

「私 今からデートだけど、碧斗と一緒の時の気持ちとは全然違うの…ドキドキとかキュンとか全くしない。これって大丈夫なのかな?」

「ハハ…そんなの当然じゃない?俺と久遠同じ気持ちなら悲しいわ…。ほら遅くなるから行けよ。帰ったら連絡しろ。」

「碧斗ありがとう。帰ったら連絡するね…」


優那が見えなくなるまで、後ろ姿をじっと見詰める碧斗は さっきとは違う すっきりとした いつものクールな課長の顔へと戻っていた。



─────*****─────

優那がエントランスで待っていた時に 理人君が通り過ぎる。

「あれ優那ちゃん 帰ったと思ってたよ。デートじゃなかった?」

「うん、そうなんだけど、待ってる間ここにいろって言われたの。」

「じゃあさ、その相手が来るまで一緒にいてあげる。寂しくないでしょ?」


理人君はいつも優しい。同期だという事もあるけれど、同じ同期でも理人君で良かった、といつも思っていた。

「理人君はデートとかしないの?イケメンさんなのに、私とよくいるから悪いなと思ってたんだ…」


「はぁ~///これだよ。でも優那ちゃんにイケメンって言われるのは嬉しいな…俺は彼女がいないだけで、ちゃんと好きな人はいるんだよ。」


知らなかった…

「そうなんだね。理人君が本気出したら、どんな人も彼女に出来そうだよ。私応援してるから、またご飯食べに行こうね。」

横で項垂れている理人には気付きはしない優那に声が掛かる。


「優那お待たせ…ごめんね。」

エントランスに入って来たのは 麗しいほどキラキラ王子のイケメン男子。

「煌君、待ってないよ。理人君、今日のデートする人だよ。」


はっ。として驚いている理人君に


「煌君、こちらは私の同期で仲良しの理人君。いつもよくしてもらってるの。」

「久遠です。優那がお世話になってます。今後も 優那をよろしくお願いします。」

「神谷です。優那ちゃん、この人ってアレルギー大丈夫なの?」

「う~ん、今は2/3で意識不明になったけど、多分大丈夫だよ。」

「おいおい優那、そんな事言わなくても…さぁ、姫行きましょうか?」

「うん、煌君行こうか。理人君、ありがとう。また明日ね、お疲れ様!」

「明日、またねお疲れ。久遠さん、失礼します。」


えらくキラキラオーラの超絶イケメン王子の登場にびっくりした理人は、こりゃあ、ライバルが多過ぎの ハイレベルな戦いに、既に戦意は失せ 敗退したのであった…


< 169 / 184 >

この作品をシェア

pagetop