* allergenic *
「着いたよ。優那…ぼぉっとしてるけど、大丈夫?」


ハンドルに手を掛け こっちを見ている煌君が心配そうにしている。


「ごめん、ちょっとぼぉっとしてた?」

「優那が考えてるのは 彼氏の事?今日の事は 話してるの?」

「うん、嘘は付きたくなかったから ちゃんと煌君とデートするって話したよ…。」


「そっか、俺とデートは内緒にしてくれたら、面白い事になったのになぁ…やっぱ、優那はあいつなんだな…。」

「煌君、今から連れてくれるんでしょ?早く行こうよ?」

「ああ、そうだな。今日は俺とのデートだから、今から他の男の特に彼氏の話はなしな。わかった?」

「勿論、煌君の事だけしか今は見ないから───────って言えば合格?」


「言うねぇ…ちょっとドキッとした///」


車から降りて 煌君の横に並ぶ──
ただそれだけの事が 普通になる日が来るためのレッスン…

私は 煌君の腕に手を伸ばし 自分から初めて男の人に腕を絡めた…


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