* allergenic *
優那の鞄の中で 電話が鳴っている

優那は今 行きに乗った車の後ろで 俺に抱き締められながら 眠っている…

「優那の電話か、誰からかな?」

優那の鞄から携帯を出して 名前を見る俺

「チッ。清水課長?…あっもしもし…深町の電話です」

「神谷か?優那はどうした?」

「ワイン飲んで 今は車の中で爆睡してます。それで家まで送ってる途中です。清水課長どうされました?」

「意識がない優那だから、アレルギー大丈夫なのか?」

「はい、全く持って問題ありません。なので清水課長安心して下さい。僕が責任持って 彼女を送りますから…」

「お前に任せて大丈夫なのか?」

「はい、お任せ下さい…」

ガチャと電話を切り 俺は顔がにやける…

アハハ…清水課長 チョロいですよ…年下舐めて貰っちゃ困ります。俺はチャンスは無駄にしない男なんですよ…

「優那。俺のマンション連れて行くよ」

優那の耳元で囁く…優那は深い眠りに入って起きる気配はない

「須藤、悪いが途中寄って欲しい店がある。それから俺のマンションまで頼む」

「はい畏まりました。理人様、そちらの可愛らしい人が お気に入りなんですね。マンションに連れて行く女性は初めてかと存じ上げますが…」

「わかるか?俺 今回マジ慎重に事を運ぶつもりだから…須藤もアシスト頼むよ…」

「坊っちゃんの足手纏いにならぬ様 お仕え致します…」

スヤスヤと眠る 美しい寝顔の優那に そっとキスを落とす理人…

意識のない優那を抱き締め まだ未解決のアレルギーをどうするべきかと 考える理人なのであった…


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