ご令嬢は天才外科医から全力で逃げたい。
「有り難うございました。」

病院から15分の距離で大学院に到着した。
車内では、明日の昼食を一緒に食べる件での押し問答が繰り広げられていた。

「美桜、帰りは何時?」

「え?10時くらいだと思いますけど・・。
帰りは慣れた道ですし。
大丈夫ですから気にしないで下さい。」

彼に私は携帯を出してと言われ、不思議に思って差し出すとLINEをさっと交換されてしまった。

彼は満足気に、真っ青になっている私に微笑んだ。

「病院に戻る。
終わったら連絡して。
連絡来なかったら10時くらいにここに来て待ってるから。」

「・・は?
ちょっと・・無理です!二条先生!?」

二条慧は、バタンとドアを閉めて方向指示ランプを出した。

困った私の顔を見て、嬉しそうに笑った彼の表情にドキッと心臓が脈打つ。

私に顔の横でさっと手を上げて、微笑んだ後病院の方向に帰っていく車を私は呆然と見送った。

・・振り回されてるのは、絶対こっちだった。

それから、病院でのアルバイトの日の帰りはいつも一緒に大学院に送ってもらい、夜は家まで送ってもらう日々が始まったのだった。

その2週間後には二条記念病院内では、2人は確実に付き合ってるとの噂が流れたのだった。
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