所長による小動物系女子の捕獲計画
プライベートな事で待たせてしまった事に罪悪感を感じながら、必要な指示を与える。

「せっかくの休みに悪かったな。それだけなら今日は予定通り、休んでくれ」

作業自体は週明けでも間に合うはずだ。

真面目過ぎる稲田に休むように念を押して電話を切った俺は、しばらく握ったスマホを見つめてもう一度電話をかける。

「もしもし、染谷か?」

ワンコールで慌てたように出た染谷は、予想通りスマホ片手に悩んでいたらしい。

「おまえ、なんて謝ろうか悩んでただろ?」

染谷はどんなに酔っても記憶を飛ばすことはほとんどない。だから今朝は、起きた瞬間から昨夜の自分の発言を思い出して、頭を抱えてたはずだ。

『ーーーっ悪い!俺、あんな事言うつもりなくて‥‥。あのさ、でも多和田を恨んでるとかじゃないんだ。実際、営業になって良かったと思ってるし』

意を決して早口で謝罪の言葉を連ねる染谷をやんわりと遮る。

「謝んなよ。俺も謝らないからさ。で、俺以外にも俺の才能信じてくれるヤツがいるって自信持って、良い仕事するよ」
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