女トモダチ
第三章

激化


「おい、真子。もう怒るなって。ほら、いじけてないでこっち来いよ」

「……別にいじけてなんてないから」

放課後、立ち寄ったハルトの家であたしはイライラを抑えきれなかった。

「こっちこいって」

ベッドに肘をつき横向きに寝転んだハルトがベッドの下の床に座るあたしの腕を引っ張る。

一瞬で頭の中がカーっと熱くなるのを感じる。

いったい誰のせいでこんなにいら立ってるのか分かってるわけ?

「離してよ!!」

あたしはハルトの手を思いっきり振り払った。

ダメだ。イライラが収まらない。

「ていうかさ、そもそもハルトが約束破ったのがいけないんでしょ?」

毎回そう。今日だって放課後は二人でカラオケに行く予定だったのに。

それなのに「今日はカラオケは無理だ。今月バイト代少なくてきついし」と言い出して家に行くことになってしまった。
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