女トモダチ
最終章

目撃

【お客様のおかけになった電話番号は電波の届かないところにあるか電源が入っていないためかかりません】

セイラのスマホに電話をかけても応答はない。

リカの最後のセリフが思い起こされる。

『あたし、これから最後の大仕事があるの』

最後の大仕事っていったい何?

リカは自分を苦しめていた人たちに仕返しをしていた。

自分が傷付けられた分、やり返していた。

リカを一番傷付けていたのは一体誰……?

そして、セイラにとって大切な人は……。

そもそも、リカはセイラという人格を消し去り、その体を乗っ取ろうとしていた。

リカが表に出てこられるのは、セイラを深く傷つけること。

そうすることによってセイラは無意識にリカを表に出し、自分はこれ以上傷付かないようにとそっと自分の殻に閉じこもろうとする。

だとしたら、次に危ないのは……セイラの両親……?

離婚することが決まっているとはいえ両親を失えば、セイラは更に路頭に迷う。

住む場所も、何もかも奪われてしまう。

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