女トモダチ

優越


「セイラのポニーテール、可愛いね」

学校からの帰り道、隣を歩くセイラに微笑む。

「そう?たまには気分転換でいいかなって」

「なんか別人みたい」

セイラはたまに髪型を変える。

少しの髪型の変化で大人っぽくなったり、可愛くなったりするセイラが羨ましい。

「そんなことより、真子、最近何かいいことあった?」

セイラはあたしの顔を覗き込みながら微笑んだ。

「なんで?」

「表情がすごく明るいから」

「そうかな~?別に普通だよ!そういえばさ、今度のクラス会セイラいく?」

昨日、中学が同じだった友達から連絡がきた。

土曜日の13時からカラオケに行き、そのあと焼き肉にいくらしい。

当時の担任も参加する予定らしい。

「クラス会……?」

セイラの顔から笑みがスーッと消え、表情を硬くする。

その反応って……まさか……。

「……聞いてなかった?」

「うん。誰からも連絡もらってなかったから」

「嘘、ごめんね!あたしてっきり知ってるものだと思ってて。人数多いし、セイラに連絡し忘れたのかもね。後で文句言っておくから!」

「クラス会はどこでやるの?」

「土曜日の13時に駅前のカラオケ集合だって。そのあと焼き肉いくんだって」

「そうなんだ。真子は行くの?」

「あたしは行かない予定」

今月分のお小遣いはもう使ってしまっていた。

「セイラはどうするの?」

「どうしようかな……。中学の友達には嫌われてるから……。日時を教えてくれなかったのも来ないでほしいってことだもんね」
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