Memory Puzzle
第1章

いつものように

「明日から夏休みだけど予定ある?」        
明日からは夏休みだから秋とデートたくさんしたいんだけど!っとは言えない…              
「いいや?帰宅部だし予定全く無いんだよな〜。」  
「私も!あのさ、雑誌で映画のチケット当たったんだけど、今週の金曜日一緒に行かない?」        
「いいね!楽しみにしとくよ。じゃあまたね!」   
雑誌で当たったと言ったけど、実は自分で買ってたりもするあたしです…。                
今日も話しながら帰ったらもう家についてしまった。もっと秋と一緒に居たいのに…           
私は、会田 時音(あいだ ときね)。ごくフツーの高校2年生だ。今日もいつものように、幼なじみの小林 秋(こばやし あき)と家に帰って来た。そしてもちろん秋とは恋仲なんだ。でも、秋は凄くイケメンで、幼なじみなのにホントのことが言えないのが悩みなのだけど…。                      
                         
「ただいまぁー」                 
少し、暗い気分で、扉を開けると弟の目線とぶつかった。                       
「何て顔してんの?学校でなんかあった?」
「何もないよ!それより宿題コツコツ終わらしときなさいよ!」                     
弟にそう告げ私は自室に入った。私は4人家族で、弟の雪斗(ゆきと)、お母さん、お父さんと暮らしている。雪斗は中学1年生で、お母さんは主婦、お父さんはサラリーマンというごく一般的な家庭だ。そういえば、お母さん居なかったけど買い物にでも行ったのかな?
「ただいま!」                 
「おかえり。珍しいね、お父さんと一緒に帰ってくるなんて」                      
部屋から出ると玄関には、お父さんとお母さんの姿があった。                      
「今日は大事な話があるからな」          
いつの間にか部屋から出てきた雪斗も疑問の表情をしていた。                      
< 1 / 202 >

この作品をシェア

pagetop