恋をするならきみがいい。
本当はもっと、言いたいこと。


いつもの朝。登校中の学生たちはみんなあくびをしながら気だるい顔で歩いていた。

私はその中をタッタッタと軽快に走る。

そして……。


「笹原おはよっ!」

その背中に思いきりタックルした。


「うおっ!なんだ。小野寺か」

なんだ、とは失礼だなと思いつつも他の男子よりも高い身長と日に日に男らしくなっていく体格を見ると自然とドキドキしてしまう。

だから溢れてしまう。こんなにも。


「笹原好き!」

思った以上に声が響いて周りの生徒たちが私たちを見ていた。だけど笹原の反応は……。


「あはは、29回目」

そう、いつも笑ってくれる。
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