いとしの腹黒メガネくん!
「こんな性格悪いやつでいいの?
俺の方が優しいよ?」


よっしーは笑いすぎて涙のにじんだ目元をぬぐいながらも、まだ口元を震わせている。


「湯浅くんがいいの。
優等生の湯浅くんも、腹黒い湯浅くんもどっちも大好き」


思ってた人とは違ってても、結局どっちの湯浅くんも大好きで、湯浅くんしかみえない。

きっぱりそう言うと、よっしーはだって?とニヤニヤしながら、湯浅くんの肩を叩いた。


湯浅くんはうざったそうによっしーの手を払うと、はあと小さくため息をついてから、私の方をちらりと見る。


「毎日毎日追いかけまわしてくれるけど、他にやらなきゃいけないこととか趣味とかないわけ?
どんだけヒマなの?」


今日初めて、私に声かけてくれた!
よっしー越しの会話じゃなくて、やっと私を見てくれた。
それだけで、嬉しくて嬉しくて笑顔になっちゃう。


「湯浅くんを追いかけるのが私の生きがい!」


えへへと満面の笑みで答えると、湯浅くんはすっと目を細めて、頭が悪いってある意味幸せかもねとつぶやいた。



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