スーゼントの怨霊

take the offensive

謎の魔神、フィヤンレキスに殺された大量の死体を一箇所に集め、火をつける。
村人は激しく燃える炎を囲み、今後について話し合った。

雲は穏やかに流れ、日差しが強い。

昨日の一件で村人達の恐怖心は怒りに変わっていた。
妻や子供を殺された男、恋人を失った男達はもう、失って辛いものはない。
玉砕覚悟の男達は無謀にも魔神に戦いを挑もうとしていた。
命を捨てるつもりはさらさら無い、ただ、昨日のハンターと魔神の戦いを物陰からみていた若者が魔神の弱点に気づいたのだ。
魔神の攻撃方法は拳の針、腕の刃物、耳なりを引き起こす音速移動での羽根打ち、この三種類の攻撃しかしてこない。
いや、出来ないのだ。
片足を上げて蹴ろうとすると、羽根にかかる重力に耐えきれず重心がズレて倒れてしまう。
だからといって羽根を羽ばたくと砂ぼこりを立てて相手を見失う上、体が浮いてしまう。

パンチの場合は攻撃が遅かった。
長さを調節出来る針はスピードが遅くても針の直線上に標的がいれば刺して致命傷を与えることができる。

この情報を基に作戦がたてられ、とある罠を日没までに完成させた。
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