スーゼントの怨霊

誰も知らなかった真実

「もう、終わりだ…」
まだ目の前が白く霧がかかってハッキリと見えない。
目尻から一粒の涙が頬をつたっていく。
二度目の死を覚悟した。
だが、希望は残っていた。
亡霊の一人が話しながらナムの背中の服を引っ張ってハデスから遠ざけてくれている。
ナムは戻りつつある意識の中で亡霊の声に耳を傾けていた。
「大丈夫、大丈夫。お前は殺させはしない。俺がお前の力になってやる。さぁ、銃を抜いて構えろ!」
懐かしさを感じる声に従ってレーザー銃を抜いた。
いつも両手で構えるからか、片手で構えると照準が合わしにくい。
「今だっ!」
亡霊の指示通り引き金をひいた。
しかし、銃の反動で照準がずれ、レーザーはハデスの肩をかすめた。
「もう一度。お前ならやれる。」
今度は少しチャージしてから引き金を引いた。
それと同時に亡霊が引きずる向きを変えた。
「ギュルルン!」
ハデスの腕の付け根にヒットし、腕は空高く舞い上がった。
「後はその剣でぶった斬ってこい!」
ナムから手を放すとすぐに姿を消した。
振り向いた時には誰も居なかった。
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