職場恋愛




店長代理の指示で今日も事務所作業をしていたら店長代理が話しかけて来た。


「お前、欠勤の奴らの休んだ理由知ってんじゃねぇのか?」


手を止めて答える。


「真鍋さんは体調悪いって聞きましたけど、他は分からないです」


嘘、じゃないよな。


「あいつらいつも同じタイミングで休むんだよな」


何か、言いたいことがあるのは容易に想像できた。

この人は、噂によれば高学歴のインテリだそうで。

何かに気付いているのかもしれない。


「ちょうど」


デスクの横に位置するソファからゆっくり俺に近付いてくる。


「取り寄せリストのことがあった辺りから頻繁に休む。俺の考えすぎか?」


すごい眼力で覗き込まれて若干ホラーだ。

やばい。
気付いてるんだ。

この人を侮っちゃいけない。

店長代理っていうくらいだもんな。
実力と実績があるってことだもんな。


でも、ここで俺が下手に言うわけにはいかない。

「…すみません。分かりません」


全部分かったからきちんと説明しないと。
中途半端に喋ってしまったら島田が動いてくれた意味がなくなる。


「あっそう。自分の言葉には責任持てよ」


……………。

何もかも分かってますよと言わんばかりに…。

本当はちょっと知ってるって言ったら脳しんとうじゃ済まない気がするな…。

怖…。
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