ヘップバーンに捧ぐ

本当は、美波夫妻とお盆休み前日に
日本に帰る予定だったが
俺だけ先に帰る事にした。

そして、美波夫妻に、
咲良ちゃんの怪我のことを伝えた

「申し訳ございません
大切な娘さんに怪我を負わせてしまいました

本当に、申し訳ございません」

心底悲しそうな顔をしながら
俺に訴えて来た

『許せないのは、その東洞と言う人達だ
翔駒君は、日本に帰れない自分たちの分まで咲良を守ってくれただじゃないか

本当は、こちらが頭を下げなければならない

私達も直ぐに、日本に帰るよ』

という事で、ASAKURAの専用機で
お二人と帰る事になった。

日本に着くと、親父とお袋が出迎えていた。

『愚息が、ご迷惑おかけして申し訳有りません
美波君にも、危害が加われたなど
重ね重ね、申し訳ございません』

「頭をあげてください………」





実は、お袋と涼子さんは
幼い頃、涼子さんが引越しするまで
家がお隣さんだったらしい。
思い出話に花を咲かせている。

世間とは、狭いものだ。