俺様Dr.に愛されすぎて



「けど、そんな時にも藤谷の笑顔があったから」

「え?」

「前にも言っただろ。藤谷の全力なところが好きだって。どんな時でも、全力で動いて笑って、そんな藤谷を見ると勇気づけられるんだよ」



私を、見ると……?



その胸に、私がいる。私から勇気を、感じてくれている。

そう言って笑ってくれることに、心が強く揺さぶられた。



唇を重ねずとも、肌に触れずとも、伝わる彼の愛情が私の全てを熱くしていく。



……愛しい。

真っ直ぐに見つめて、想いを伝えてくれる。そんな彼のことが、愛しい。

強く強く握った手に、その思いを込めた。



愛しさよ、伝わって。

でも、伝わらないで。

この心は曖昧だ。



だけど、今この瞬間が大切に思えるんだ。



ずっと、このまま手をつないでいたい。真木先生の一番近くにいたい。



込み上げる思いは、かけがえのないもの。







< 106 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop