俺様Dr.に愛されすぎて



「梓、さん」



小さな声で呼んだ名前に、彼は嬉しそうに笑うと唇を離し、私の体をそっと抱き上げベッドへ連れて行く。



「あの、私まだシャワーも浴びてなくて」

「あぁ。終わったら一緒に浴びるか」

「え!?一緒にって……」



恥ずかしさから大きな声が出る、その口をふさぐように、彼は再びキスをした。



今では、こうして日に何度も重なる唇。

彼の大きな部屋

『梓さん』の名前

彼とのキス以上の行為



付き合ってからそれなりの時間が経っても、まだ完璧には慣れない。

だけど、真木先生はいつも、優しく愛しげに触れてくれるから。

この瞬間一つひとつがいとしい。



限られた時間の中、求めあい重なる肌が、熱く心地いい。



……しあわせ、だなぁ。

好きな人が、愛してくれて、こうしてたまにでも過ごす時間を持つことができて。



ずっとずっと、このまま。穏やかな時間を過ごしていたい。

それだけで、いい。

そう、彼の腕の中で強く願った。




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