あなたのことは絶対に好きになれない!
ドキドキさせないで

月曜日。いつも通りの時間に出勤すると……。


「あ……」

私の声に反応して、その人は振り返る。


「あ、クミ」

周りに誰もいないから、オウスケくんは私のことを〝クミ〟って呼んだ。


営業室の入り口でバッタリ出くわし、ほんのちょっと気まずいけど、


「あの、金曜日はご迷惑をお掛けして本当にすみませんでした。そして、ありがとうございました」


きちんと謝らないといけないと思った。
原因はどうあれ、介抱してもらったのは事実だ。


オウスケくんは特に気にした様子もなく、「ああ、別に」と答える。そして意外にも「俺も悪かったし」と言ってくれた。


「いえ、私の自己管理不足でした……」

「飲ませたの俺だし。深央にも怒られたわ。
まあなんていうか……嬉しくて?」

「え?」

「クミと再会出来たことが嬉しくて。それでついつい酒飲ませちまった」


彼は口元を意地悪く釣り上げてそう言う。


なのに……あれ?

今私……



ちょっと、ドキッとした?
< 39 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop