無炭酸サイダー
無炭酸サイダー




前に1度、うちは飲みかけのサイダーを思い切り上下に振られたことがある。

ペットボトルの中で所狭しと泡は膨らんで、底から飲み口へと浮かんでいった。

そんで、蓋を開けてしまえばあっけなく中身はこぼれてって、うちの手をべたべたと汚した。



ただのジュースならよく振ってから飲むもんやけど、炭酸はあかん。

気が抜けて、まるで甘ったるいだけの飲みものになってまう。

ぱちぱちと口の中で弾ける感覚こそが炭酸の醍醐味やっていうのに、それやったら意味がない。



────せやし、これも、そういうこと。

うちの恋は生まれてから日が経ちすぎて、捨てるという選択肢しか残されてへん。






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