キミと初恋。
「颯ちゃん！」


私の役目は終わった。


「私は……」


それなら最後くらい、いいよね……？　とっくに友達役なんて解消されちゃってるとは思うけど、はじまりは颯ちゃんが決めたんだから、終わりは私が締めたっていいでしょ？



「颯ちゃんがお姉ちゃんと付き合う前からずっと」



だから、どうせなら……全部言って終わりにしよう。




「ずっと颯ちゃんの事が、大好きでした」




私はもう、颯ちゃんの友達役にも、ましてや友達にもなれない。颯ちゃんにはもう友達役なんて必要ないと思うし、私にも下心がある。

だから私達は友達にもなれない。


私の視界がぼやける前に、くるりと身を翻して、駆け出した。


言った。全部言った。言いたかったこと、ぜーんぶ言えた。


だからもう、私はこれで満足だ。


私の恋は、終わった。


最後までヒロインにはなれない恋だったけど、いいんだ。




だってこれは……私にとって、ヒロイン級に素敵な恋だったから。




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