「私にだって好きな人くらいいる」
「やぁ、楽しそうな話ししてるね、百瀬」
これ以上聞いていられなかった。
というか、聞いてはいけない気がする。
私達の均衡が崩れる、そんな予兆を感じたから。
私が百瀬の本当の気持ちを知りたくないっていうのもある。
嫌い合っていて、私が彼のことを振り回すくらいがちょうどいいんだ。
相思相愛なんてそんな夢みたいな事あるわけないんだから。
ポンポン、と後ろから肩を叩けばあからさまに肩を震わせた。