【中編】彼女様は甘い味。

恋するウサギ





「…ねぇ、結衣…

いつからこんななの?奏音。」


只今、食堂にて三人で昼食をとっているところです。

そして先程の恵の『いつからこんななの?奏音。』のセリフの通り、分かると思いますが…



「知らないわ…、

…でも“あの日”から変になったのは確かよね、」


お昼のお弁当のおかずを口に運びながら何一つ様子を変えることもなく、結衣は言うとチラリ奏音の顔を見る。



その奏音はと言いますと…

いつもよりも“メルヘン度”が数倍に増しているような…そんな感じ。



「…結衣ちゃん、

男の方はどのような女性に好感を抱くのでしょうか…?」


キラキラに目を輝かせた奏音は、身を乗り出すようにして結衣に問い掛ける。

けど結衣は、まだお弁当を食している途中らしく、ニコッと微笑んで上手く誤魔化す。



…あ、結衣ちゃんは今お弁当を食べられているので、

この質問は後ほどにしましょう。



さて…

あたしもお弁当に致しますか。



「…なぁ、奏音。

やっぱりー、恋しちゃったんだろ?先輩に」


お弁当の蓋を開け、幸せに浸って約2秒半。

隣から聞こえてきたのはそんな恵ちゃんの声でした。




「こ、…恋だなんて…」

お恥ずかしい。そんな、もう…


『したんだ!』

二人の心の中で同時に思われた言葉。



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