幼なじみじゃ、なくなった夜。
避けんなよ。







「…げげっ」






榎波への返事も、同窓会の出欠席も何も決められないままあっという間に土日が過ぎ去り、月曜日。



土日と休んだ分、月曜日はいつもよりも少しだけ、忙しい。




一時間ほど残業をして帰ろうとすると、しとしと雨が降っていた。




「最悪だ〜…」



傘も持ってないし。そういえば今朝は、天気予報も見ていなかった。




…まぁ、ダッシュで帰ればギリギリいけそうな気がしないでもない…行くか!!




よし、と気合いを入れて、いざ走らん!と一歩踏み出そうとした瞬間





「おい」




グイッ





引っ張られた腕。




振り向くと、呆れたような顔した榎波が立っていた。





「えっ…榎波!?」



「アホかお前、走って帰る気かよ」





カッとつかまれている腕が熱を持つ。





気付いたら、勢いよくその手を振り払っていた。





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