極甘求婚~クールな社長に愛されすぎて~
それと今日は眼鏡を外している。

運動するからだろうけど、眼鏡がないとインテリ感が抜けて爽やかさに磨きがかかる。


「カッコいいなぁ」


そう呟いた瞬間、紬がスマートフォンを取り出したのが見えたので急いで通話ボタンを切り、車を発進させる。


「おはようございます。お待たせしました」


朝早い時間だから近所迷惑にならないように助手席の窓を開け、車内から小さな声で挨拶をする。
すると紬もそれに倣うように小声で挨拶を返してくれた。


「おはよう。場所、分かりにくかったか?」


窓の高さに身を屈め、内緒話のようにコソッと話す感じが社内で話すのとは違う感じがして、なんかくすぐったい。

でもそこに気を止めている場合ではない。

車外に出て、荷物に手を伸ばす。


「場所は大丈夫です。それより今、トランク開けますから荷物をこちらにお願いします」


でも、なぜか手渡してくれない。
私の方を向いて、目だけを上下に動かすだけ。


「あ、もしかして私、どこか変ですか?」


ゴルフに行くときは長い髪が邪魔だからポニーテールにして、店員さんに勧められたモノトーンのボックスプリーツワンピースに黒ソックスという格好をしている。

今まで変と言われたことはなかったけど。


「いや、パンツスーツ姿しか見たことがなかったからそういう格好が新鮮だな、と思っただけだ」


そう言うと紬はサラリと褒め言葉を口にした。


「そのゴルフウェア、似合ってるよ。ゴルフが上手そうに見える」

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