僕が小説を書くように
 僕の思った通りだった。

 彼女のもとに、匿名の手紙が届いたのだという。
 同封されていたのは、妻と子、そして僕が写った写真。

 ご丁寧にも、説明文が添えてあったらしい。

「先生は、独身だってずっと思っていたのに……」

「隠していたことは謝る。
 だけど事情があるんだ」

 僕は、絶望的な気持ちで話した。

 妻とは、まったく顔を合わせていないこと。
 娘に病気があるため、別れられないこと。
 養育費を払い続ける責任があること。

「申し訳なかった……」
 見えないと知っていながら、深々と頭を下げた。
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