僕が小説を書くように
 僕は、彼女のマンションの前に立つようになった。
 もう半分以上、正気を失っていた。

 週末しか時間がなく、それさえも仕事でつぶれる日もある。
 誘いを断り、酒を断って、彼女の姿を追い求めた。

 このマンションの構造がいまいちわからず、ふたつ出入り口があることを初めて知った。
 正面玄関は目立ちすぎると思い、半分くらいは裏口に回って待った。

 彼女の部屋に灯りがともると安堵したし、そこに飛んでいきたいと心底願った。
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