ワケあって本日より、住み込みで花嫁修業することになりました。
好きな食べ物やよく見るテレビ番組、そういった日常的なことはいっしょに暮らし始めてから知ることができたけれど、私は謙信くんのすべてを知り得ていない。
この前、親友の存在を教えてくれたけれど、もっと知りたいことがたくさんある。
どんな学生生活を送ってきたのか。趣味は? 話してくれないかもしれないけれど、仕事は辛くないのかな?
愚痴とか弱音なんて、一切私には見せないし聞かせてくれないけれど……ストレスたまっていない?
気になり出すと止まらなくなる。
でも聞いたところで彼は話してくれなそう。
そんな私が婚約者だなんて言えるのかな? 私だけ助けられて守られていていいのかな?
私だって謙信くんにとって、そんな存在になりたいのに。
好きになってもらいたい、頼られる存在になりたい。彼のことを好きになればなるほど、欲張りになるばかりだ。
「えー、それは当たり前な感情じゃないかな? 好きな人に自分のことを好きになってほしいと思うし、頼られたいし、甘えてほしいよー」
「や、やっぱり沙穂さんもそう思いますか?」
「もちろん」
次の日の仕事終わり。沙穂さんとやって来たのは会社近くの居酒屋。
この前、親友の存在を教えてくれたけれど、もっと知りたいことがたくさんある。
どんな学生生活を送ってきたのか。趣味は? 話してくれないかもしれないけれど、仕事は辛くないのかな?
愚痴とか弱音なんて、一切私には見せないし聞かせてくれないけれど……ストレスたまっていない?
気になり出すと止まらなくなる。
でも聞いたところで彼は話してくれなそう。
そんな私が婚約者だなんて言えるのかな? 私だけ助けられて守られていていいのかな?
私だって謙信くんにとって、そんな存在になりたいのに。
好きになってもらいたい、頼られる存在になりたい。彼のことを好きになればなるほど、欲張りになるばかりだ。
「えー、それは当たり前な感情じゃないかな? 好きな人に自分のことを好きになってほしいと思うし、頼られたいし、甘えてほしいよー」
「や、やっぱり沙穂さんもそう思いますか?」
「もちろん」
次の日の仕事終わり。沙穂さんとやって来たのは会社近くの居酒屋。