涙の、もっと奥のほう。
私にとって龍奈は命であって、自分自身でもあった。

龍奈が生まれた日の夜、私の命をかけて龍真と龍奈を守る事を誓った。

恥ずかしくない生き方を…龍真に恥ずかしくない生き方をしようと毎日必死だった私は、時折耳に入ってくる龍真の噂を聞きながら知らないふりをした。

どこの誰と付き合ったとか、どこで遊んでいるだとか、周りの人たちは私の気も知らないで事細かに教えてくれる。

「別れた旦那の事なんか、どうでもいいよ。」

そんな捨て台詞をはいては、自我を保っていた。
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