前世

合コン


由実『香織(かおり)!こっちこっち!』

由実の声がする方へ慌てて向かう。

そして、席につく。

由実『じゃぁ、これから、合コンを始めまーす!まずは、自己紹介から!えっと…男子からお願いします』

『じゃぁ、まずは俺から。俺は、木村孝史(きむら たかし)。趣味は、サッカー。あまり、女子と話したことがなくて、ちょっと不安だけど…宜しく』

パチパチ…

盛大(せいだい)な拍手(はくしゅ)が響(ひび)きわたった。

『俺は、松田健(まつだ けん)。趣味は、音楽とスノボー。宜しく』

パチパチ…

『次は俺。俺は、田嶋優斗(たじま ゆうと)。趣味は、バスケとテニス。アニメも好きです。宜しく』

パチパチ…

由実『それじゃぁ、次は私!私は増田由実(ますだゆみ)。趣味は、バドミントン!宜しく』

パチパチ…

『えっと…私は、篠嵜(そのざき)アカリ…。趣味はイラストを描く事…宜しくお願いします…』

香織『私は、吉村香織(よしむらかおり)。趣味は音楽。宜しく』

優斗『自己紹介も終わったんだし、乾杯しますか』

由実『そうですね!それでは…』

皆『カンパーイ!!』

由実『せっかくだし、話してみたい人の前に座るのはどう?』

優斗『いいですね!そうしますか』

由実『うーん…じゃぁ、男子が話してみたい女子の前に座るって事で!』

結果…。

由実の前に優斗(ゆうと)が座(すわ)り、アカリの前に孝史(たかし)が座り…私の前に健(けん)が座った。

それぞれ、色んな話を始めた。

沢山…。

男子が苦手なはずのアカリさえ、楽しそうに話していた。

由実も優斗と楽しそうに話していた。

私はというと…。

会話が何気なくぎこちない。

上手(うま)く話せない。

それでも、一生懸命(いっしょうけんめい)話してくれる孝史(たかし)が素敵(すてき)だった。

優(やさ)しくて、気遣(きづか)いが上手(じょうず)で…。

初めは、ぎこちない会話だったけど、後からじょじょに話せるようになった。

沢山、笑った。

メールも番号も交換(こうかん)した。

時間はどんどん、過ぎていった。

そして、帰る時間が来た。

それぞれが自分の家へ帰る。

今日は、とても楽しい時間を過ごした。

そんな気がした。
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