君が見せてくれた、私の世界
「冷泉くん…。」



ふと、想世架の父親が俺の方を見た。


スッ…と、ハンカチが渡されて。


そこで初めて、自分が泣いていることに気がついた。



「……っあ…。」



自分が泣いている。


そう自覚したら…どんどん涙が溢れ出てきて止まらなくて。


ダンッ!!と、壁を殴った。



────「想世架さんは、1年もつかどうか…。
心の片隅に置いておいてください。」



そう、淡々と告げた医者。



想世架の余命宣告?


…そんなもん、その時にならなきゃ分からねぇだろ……。


その時になって、回復してるかもしれない。


想世架が生きたい、と強く願えば…叶うかもしれねぇ。



「俺は、想世架を信じる。
余命宣告なんて信用しねぇよ。」



医者は信用出来ない。


嫌なくらい、俺は知ってる。



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