君が見せてくれた、私の世界
「へぇ、想世架ちゃんも本好きなんだ。」


「うん。
でも、最近はあんまり読めてないんだ。
これ!っていうのがなくて…。」


「そっか。
俺のおすすめのやつ、いくつか教えるよ。
想世架ちゃんでも気に入るやつ。」


「ほんとっ!?ありがとう…!」



直央くん、ってすごい。
男の子と話すのが苦手な私でも、これだけ打ち解けることが出来た。
…千暁の時は、見た目からしてチャラチャラしてたからビビってたなぁ。
今は落ち着いてるけど。

その点、直央くんは違う。
爽やかで見た目からして優しい。
ピアスなんて開いてないし、染めたことのなさそうな傷みの知らないさらさらの髪。



「……ん?
想世架ちゃん、どうかした?
そんなに俺のことじっと見て…なにかついてる?」


「あっ…!ご、ごめんなさい…!」


やばい、見すぎた。
怪しまれる…!!
慌てて目を逸らすけれど、またチラチラと見たくなってしまう。


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