君が見せてくれた、私の世界
「……そ、よ……ちゃ……」


「うん。
想世架だよ。
直央くん、私だよっ……。」



微かに紡がれた言葉。
それでも、間違いなく…私の名前を呼んでくれた。
そよちゃん、と。


いつも、笑いかけてくれた直央くん。
そよちゃん、と優しく呼んでくれた。
忘れないよ。



「……そ、よ…ちゃ……だ、ぁ…。」



口元が微かに上がる。
あの時と変わらない、優しい微笑み。
それが嬉しくて、私も笑いかけた。
…ひだまりの似合う直央くん。



「……こ、れ……。」



震える手で渡された、1枚の紙。
これが…なんなのか。
私は、広げなくても中身が分かった。



「……ありがとう。
後で大事に見せてもらうね。」



私がそう言うと、直央くんはまた…微笑んだ。

もうこの微笑みに意味はないのかもしれない。
条件反射でしてるのかもしれないけれど…私に向けられることには違わない。
だから、私だって。
可愛いって、君が褒めてくれた笑顔を絶やさないようにするんだ。




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